浜松市の閑静な住宅街にお住まいのＳ様。

築47年、昭和の風情が残るご自宅にお一人で住まわれておりました。

お庭を挟んだお隣にはＳ様のお嬢様がご結婚後、今から５年前に弊社で新築されたお家

に住まわれております。

子供達が巣立ち、ご両親・ご主人様が亡き今、築年数とともに増えていった物の断捨離と

Ｓ様自身のセカンドライフの向上。さらにご両親が建てられた住宅を子供や孫たちに

価値ある資産として受け継いでいけるようにと考えリフォームを決断されました。

約1年半前からリフォーム計画を考え始められたそうなのですが、お嬢様のお家を新築

させていただいたご縁で 「この家をリフォームするなら迷わず三立さんで」

と決めておられたそうです。

Ｓ様邸は、木造2階建。今回、リフォームさせていただいた箇所は、

1階トイレ・洗面・お風呂を除く（既にリフォーム済の為）1・2階全体。

木製建具、内装、畳、床の張り替え、キッチン新設、2階トイレ設置、サッシ取替え

そして、耐震・耐久といったお家の性能を向上させる「ここちリノベーション」も

行いました。

おしゃれなインテリアや便利な機能の設備だけでも暮らしは変わりますが、

Ｓ様の「次世代へ価値ある資産として引き継ぎたい」との要望にお応えすべく

”性能向上リフォーム” をプラスさせていただきました。

さらに今回のリフォームでＳ様が特にお望みだったのが、1階の間取り変更。

旧宅は、台所とリビングが壁で仕切られていたり、１日の中で多くを過ごす場所が

日が当たらず、逆に日差しが差し込み、お庭の緑も眺められる条件の部屋にはあまり

過ごしていないという間取りと生活動線にミスマッチが生じておりました。

そこで、日が当たらない場所は寝室に。

明るくお庭を見渡せる場所は、壁を取り払いＬＤＫとしました。

今まで寝室は、2階の和室を使っていましたが、両側を箪笥に囲まれ、地震が来た時の

ことを思うとＳ様もお嬢様も心配でならなかったとのこと。

寝室を1階に移したことは、これから先のご年齢を考えてもメリットは大きいことで

しょう。

その新たな寝室は、杉板の腰壁とＳ様ご要望のウィリアム・モリスのクロスに囲まれた

癒しの空間へと生まれまわりました。ウィリアム・モリスのクロスは他にも2階の襖紙や

壁面収納にも使用しており、違和感なく溶け込み、シンプルな空間に洗練さを与えてくれ

ています。

ＬＤＫは、床・建具・テレビ台に至るまでふんだんに‟木“を使用させていただきました。

実は、当初これらは手持ちのアンティークな家具と合わせダークブラウンに塗り

家具との統一感を持たせようとしておりました。

しかし、あまりにも木素材の良さ・木目の美しさに惚れてしまい、濃く塗ってしまうには

惜しくなり、工事途中にクリア塗装に変更となりました。

さらに、Ｓ様の旧宅には昭和に建てられた住宅らしいデザインのものが多数あり、

それらを上手く取り入れさせていただいたことも今回のリフォームのポイントです。

その１つがＬＤＫの建具。

旧宅で使用されていたサッシのガラスを建具職人さんが見事にリメイクしてくれました！

すっきりと新しくなった空間に程よく昭和の面影が感じられるところが、Ｓ様も大変

気に入っていただけているところです。

和室の柱や棚も活かせるものは綺麗に磨き、そのまま使用しております。

そして、LDKの見どころであるキッチン。

LIXILのリシェルとモザイクタイルでクラシカルな雰囲気にあう色・デザインを選びました。

キッチンは、LIXILリフォームショップ Remoreでリシェルを見て、

セラミックワークトップ（天板）の色・質感・機能性を気に入ってくださり採用して

いただきました。

明るく開放的に生まれ変わったＬＤＫ。

これからはその居心地の良さを十分に実感していただけるかと思います。

今回、担当させていただいた現場監督が、「1番印象に残っていること」であげていたのが

元々の木構造の強固さ。それを活かし、2階の和室の梁はあらわし梁にしました。

太さが一定でない梁の形状に沿って天井のクロスがピタッと貼られて様は、一見地味ですが、

実はとてもすごい職人技！丁寧な仕事ぶりが細かいところまで、完成された住宅の至る所に

光ります。

梁が表していることでリフォーム後も旧宅で過ごした日々を思い出しそうですね。

2021年年末から始まったリフォーム工事。途中、工事メニューの追加などがあり、

Ｓ様には突然のお打合せや工期の延長をお願いすることになってしまってもきちんと受入れて

いただき、一緒に行っていただいたことでこの素敵なリフォームが完成したと思っております。

Ｓ様とご家族の皆様のこれからの暮らしがより快適に、より豊かになることを心から願って

おります。