天竜材の魅力

世界に認められた「天竜の宝」

浜松を災害から守り、恵みをもたらす天竜の森林は、人が手間ひまをかけ育てた「日本3大人工美林」のひとつ。
歳月を重ねるほど味わい深くなる、天竜材の魅力を紹介します。

三立木材マスコットキャラクターのイラスト

天竜材の魅力

明治時代に金原明善が行った、
天竜川の治水事業から大きく発展。

天竜地域に植林が始まったのは15世紀半ば、今から550年ほど前。その後、江戸時代の1696年には3万本を植林し、それが36万本になったと記録されています。江戸中期以降、天竜の木材は商品価値を高め、天竜川から港を経て、江戸に輸送されるようになりました。天竜の山が、吉野(奈良)、尾鷲(三重)と並び、「日本3大人工美林」と呼ばれるまでになったのは、浜松の偉人、金原明善が行った天竜川の治水事業がきっかけでした。

明治時代、「暴れ天竜」と呼ばれる天竜川の洪水被害を何とかしようと考えた金原明善は、私財をなげうち、川の上流、天竜の山の植林事業を始めたのです。これが礎となり、治水・治山の公共性と木材生産の経済性を兼ね備えた天竜の林業が大きく発展しました。戦後の復興期には、住宅需要の増加に応えるべく、多くの天竜材が全国に流通し、浜松に多くの恵みをもたらしました。

浜松市の約70%を占める森林、その7割近くがスギ、ヒノキを中心とした人工林です。林業に携わる人々が長い年月、手間ひまをかけ丁寧に育てた森林は「天竜美林」とも呼ばれ、木材生産だけでなく、水資源の確保、災害の防止、二酸化炭素吸収など、地球環境の保全にも役立っています。天竜材は、世界に誇る「天竜の宝」なのです。

先人の知恵、技、熱意をつなぎ育てた、
高樹齢、高強度、高品質。

苗木を植えてから50年~100年、一本一本大切に育てられた木が木材となり、わたしたちの家の柱や梁、床になります。1~7年目は「下草刈り」、そこから節が出ないように「枝打ち」を行いながら、15年目以降から5~7年おきに、形のよい木に栄養を集中させる「間伐」を行います。1ヘクタールに3000本植えた苗を約40年で1000本に、3分の1に調整していきます。

林業はとても気の長い仕事です。その知恵や技術は、先人たちから代々引き継がれてきました。枝打ちや間伐で光を操り、年数の異なる木々に、まんべんなく光と栄養を届ける作業はまさに職人技。広大な森林を活用し、職人が丁寧に育てた天竜のスギやヒノキは他の産地に比べて樹齢が高く、70年生から100年以上の成熟した木が豊富にあります。密度管理と丁寧な枝打ちにより年輪が緻密になることで、他産地に比べ強度が高いのも天竜材の特徴です。

天竜には製材のプロフェッショナルも揃っています。原木の選別、木材を切り出す技術により、良質な木から高品質な木材が生まれます。「赤身が多く粘り強い、強度があり加工しやすい」と評判の天竜材には、温暖で積雪が少なく、適度な寒さがある天竜の気候も影響しています。天竜材は、豊かな自然、多くの人々の努力と熱意により長い歳月をかけて育った木だからこそ、人をやさしく包む温かさがあるのです。

県内初。FSC®認証の木材を100%使用した
「天竜FSC®森林認証の家」。

FSC®認証には、認証された森林からの産物の適正な加工・流通を認証する「FSC® COC認証」があります。これは、加工・流通時に認証を受けていない林産物が混ざらないようにするためのもので、浜松市内では、森林組合、製材、流通、工務店など、木材関係の団体等が多く取得し、FSC®認証の製材品を安定して供給できる体制が整っています。

そして、1999年に誕生したのが、地元のCOC認証取得工務店による「天竜FSC®森林認証の家」。使われるのは、「FSC®認証」マークのついた木材のみ。健全な森から生まれた木材100%で作る家です。長い歳月をかけて丁寧に育てた材木、少しの妥協も許さない確かな目で仕上げた建材、木を知り尽くした職人による建築技術が、100年200年、住むごとに味わい、深みを増していく高品質な家を実現しました。世界に誇る天竜材、いい木を使ってほしいという、「チーム天竜」の熱い想いがつまった家です。

良質な木材を育てても、使わなければ宝にはなりません。天竜材を使った家は、家族を守るだけでなく、わたしたちのまちを守り、やまを守ります。少しでも天竜材に興味を持っていただき、「地元で家を建てるなら、地元の木で!」と思っていただけたら幸いです。

ライセンス番号 FSC-C104413
三立木材は、世界に認められた「適正に管理された森林」として、浜松市も推進している「FSC® COC森林認証(ライセンス番号 FSC-C104413)」を取得しました。
FSC® COC森林認証マーク
FSC®は世界をどう変える?
FSC®材が使われるほど、天竜の林業が活性化し、森は豊かさを取り戻します。
違法伐採された木材が日本にも輸出され、消費者は知らず知らずのうちに違法伐採の木を使っているケースがあります。
そのため人工林に手入れが行き届かず、森の水を貯える力、空気を浄化する力が衰えています。
素性が確かな天竜のFSC®材が使われるほど、天竜の林業が活性化し、森は豊かさを取り戻します。
現状と、FSC®が広がった後の状況を比較した表

国際機関の厳しい審査をクリア。
FSC®認証の森林で全国最大(市町村別)

2010年、浜松市、静岡県、国、各地域の森林組合で組織する「天竜林材振興協議会」が、天竜と引佐の森林の「FSC® FM認証」を取得しました。FSC®認証は、責任ある管理をされた森林と、限りある森林資源を将来にわたって使い続けられるよう適切に調達された林産物に対する国際認証制度です。近年FSCは付加価値が浸透してきており、様々な取り組みも行われています。

天竜の林業は、ただ木を育てるだけでなく、自然環境への配慮を常に心掛けてきました。道を作る時には山が崩れないように、伐採した木や枝が川に流れないよう細心の注意を払い、山を守ってきたことが、FSC®認証の理念と合致したのです。日本国内の32都道府県にあるFSC®認証の森林に占める浜松市の割合は約11%、市町村別で全国最大の面積を誇ります。

自然環境に配慮した取り組み

「天竜材の家 百年住居る助成事業」

森林保全と健康的な住環境を守るために、浜松市では「天竜材の家百年住居る助成事業」を実施しています。浜松市内のFSC認証林から生産され、市内で製材・加工された天竜材(FSC認証材)を一定量使用した住宅を建築された場合に補助金を受けられます。

補助金について

「木好きの証」フォトフレーム贈呈

住居る事業を利用していただいた方に、記念品としてフォトフレーム「木好きの証」をプレゼントしています。地元の天竜材(FSC 認証材)を使用することで「FSC 認証材の使用が社会貢献・環境配慮に繋がっていることを知ってほしい」「もっと木を好きになってほしい」という思いで贈呈しています。地域の材料を使用することが、地域への貢献に繋がるのです。

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